入間人間

たったひとつの、ねがい。

別に俺は見境のない人殺しなのではなく、必要だから殺しているだけなのだ。 あらすじ 彼女と知り合ったのは学生時代だった。互いに心を通わせてる、そのことすらも確認しなくても分かる日々。そして今日、俺は思い切って結婚を彼女に持ち出してみた。下手に…

時間のおとしもの

いつからか俺の生き方を決めるのは自分じゃなくて時間になっている。電車を利用するようになってから、俺も時間のレールに乗り上げているみたいだ。 あらすじ 『携帯電波』―少女が台所で偶然見つけた携帯電話。耳を傾けた向こう側には、もう一人の自分がいて…

電波女と青春男 SF(すこしふしぎ)版

「イトコにとって宇宙はなに?」 普段より若干ながら電波の薄らいだ声色だった。真もそれを感じ取り、目を窓にやる。 寄り道してきた為か外は既に夕方に差しかかり、夕日が窓ガラスを焼いていた。日の光を背負って飛ぶ小鳥は逆光で黒く、電線に止まる鳥のす…

電波女と青春男(8)

人はそれぞれが星みたいなものだ。相手との間には距離があって、近い星、遠い星様々だけど、その近い星も、時が経つにつれて距離が開いていくときが往々にしてある。開きすぎてしまえば、俺たちはロケットでその星に行くことが、本当に困難になる。実質、不…

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん とっておきの嘘

嘘だけど。 あらすじ クラスでも浮いてる不思議系美少女「御園マユ」。彼女には色々秘密が多くて…!?映画+原作のハイブリッド!コミックだけの新しい「みーまー」がここに始まる!! 感想 みーくんの設定変更を除けばかなり理想的なコミカライズ。設定変更…

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(10)

これが僕の、最後の嘘だ。 あらすじ まーちゃんが、殺人犯に攫われた。僕の元から、まーちゃんが消えた。バカップル伝説も終焉を迎えた。 長瀬透殺人事件に起因する自分自身との無益な争いに精を出していた間に攫われたんだから、まったくもって笑えない。 …

電波女と青春男(7)

全てがゼロになった後、俺の中にある時計は『1』を表示する。そして俺がまばたきをしている間に『2』となり、『3』と続く。秒数のカウントはそのまま止まらず、延々と、続く。 ああ、と意味を理解して破顔した。遠い遠い目標に、俺の時間が向かっているの…

電波女と青春男(6)

「……おし。青春女に、なってこい」 あらすじ どもども丹羽真です。えー、俺は今、青春ポイントが浮遊しまくる魅惑のボーナスステージに立っているのだった…!そう。本日は我が母校の文化祭なのである。今年は『引力』をテーマとしているらしく、生徒も一般入…

多摩湖さんと黄鶏くん

俺たちの活動なんて、みーんな、ペットボトルの緑茶の成分表示みたいなものだから。 エネルギー0。 タンパク質0。 脂質0。 炭水化物0、そして申し訳程度のナトリウム。 だけどそうやって表示された液体を飲めば喉の渇きは潤う。 俺たち学生はいつだって…

バカが全裸でやってくる

「僕が全裸で描いた僕の全裸を是非、きみにも全裸で鑑賞してほしい」 あらすじ 僕の夢は小説家だ。そのための努力もしてるし、誰よりもその思いは強い。お話をつくることを覚えた子供の頃のあの日から、僕には小説しかなかった。けれど僕は天才じゃなかった…

電波女と青春男(5)

想いはコピーできないのだ。作り置きも無理で、温め直すことだってできない。 あらすじ 青春ってのがなんなのかは正直分からんけど、それがあると心が満たされるものらしい。 あ、どうも。青春ポイントを求め彷徨う流浪の旅人、丹羽真です。ついに俺は、ぐる…

六百六十円の事情

「時々さ、考えるんだ」 「俺、ずっと高校生なんじゃないかって」 あらすじ 男と女。彼氏と彼女。親と子供。先生と生徒。爺ちゃんと婆ちゃん。世の中には、いろんな人たちがいる。 そこには、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんてのも。それぞれ“事情”を持…

電波女と青春男(4)

「その時に思ったことは、その時にちゃんと言った方がいいんだよ。想いだって劣化するんだから。明日、その人との全てが終わってしまうかも知れないんだよ。だったら今日の内に、全部終わらせるよう努めるべきだと思う」 あらすじ 電波女になる前の藤和エリ…