鉄楽レトラ

 

 生き方が下手だった

でもそれを恥じているのは自分だけ

母さんは毎朝俺に目玉焼きを作るし

妹は俺への期待を忘れない

じいちゃんの掛け声で外へ出てみれば

友と作る悪くない日が待っている・・・

 

 

あらすじ

かつて夢をなくした少年と少女。

光と影は再び出会い
今までと違う“明日”を紡いでいく――

 


感想

かつて自分の自尊心を守るために友達を傷つけてしまった主人公、鉄宇。

そんな自分が嫌で、自己嫌悪を抱えたまま、高校に進学した彼は、誰ともかかわらずに生きていこうとしていたが・・・。

 

青春漫画ですねー。

こういった漫画にしては珍しいのが、主人公が誰かから悪意を向けられて挫折したのではなく、主人公自身が過ちを犯したことで、挫折してしまっていること。

だからこそ、簡単には立ち直れないんですね。

この漫画の登場人物は誰もが挫折を味わっていて、誰もが自己嫌悪を続けています。そんな彼らがよりどころを探しながら、そして寄りかかりながら少しずつ自信を取り戻していく様子が良いです。

 

人の人生を変えてしまうほどの人間て、どんな奴だ?

上記の一文が1巻の冒頭に添えられているんですが、それを知る物語ですね。

 

僕が佐原ミズ先生の漫画を初めて知ったのはマイガールでした。

マイガールはドラマ化もしてましたねー。ドラマも結構好きで、原作改変にちょっと文句言いつつも見てた気がします。

佐原ミズ先生の描く漫画はいい人も嫌な人も出てくるんですが、どこか優しい雰囲気に包まれていて、嫌な人もなんだか憎めないんですよね。

疲れた心を癒したいときにお勧めです。