時間のおとしもの
いつからか俺の生き方を決めるのは自分じゃなくて時間になっている。電車を利用するようになってから、俺も時間のレールに乗り上げているみたいだ。
あらすじ
『携帯電波』―少女が台所で偶然見つけた携帯電話。耳を傾けた向こう側には、もう一人の自分がいて…。
『未来を待った男』―この時代にタイムトラベラーを呼び寄せる。それが男の目標だった。『やり直したいことがある』のだという。そして、ついにその時が訪れる。
『ベストオーダー』―四人の俺が、同じ場所に現れた。自分自身が複数いるこの状況を前に、俺達四人はしばし考えた後、全員で共謀し、『完全犯罪』を企てる。
ほか、書き下ろし短編『時間のおとしもの』を含む、時間に囚われた人間たちの、淡く切ない短編集。
感想
時間を巡る4つの物語。短篇集。
どれも入間人間らしいひねくれた話ばかりで非常に楽しめた。
・携帯電波
世にも奇妙な物語風の平行世界もの。オチは予想はできるものの悪くないw
・未来を待った男
トリックが面白かった。短編中じゃ一番良い話だし、すっきりする。
・ベストオーダー
入間人間の他作品からゲストが登場。嬉しい。
・時間のおとしもの
この短編の終わりに相応しいと思いました。