秋田禎信

秋田禎信BOX(第二巻 エンジェル・ハウリング)

「人間なんて生きてる時は見向きもされないのに、死体になった途端、世界をひっくり返すような大騒ぎを起こせる。不思議なものね」 あらすじ ●第二巻:エンジェル・ハウリング 1. 長編『from the aspect of MIZU サーヴィル・キングス(眠る王権)』(書き下ろし…

エンジェル・ハウリング(10)

(善悪、かぁ。もの凄く今さらって気もするし、こんなことを考えるだけで恥ずかしいのかもしれない。とにかく、人には言えないよね、なかなか……) 善とはなにか。 悪とはなにか。 あまりにも単純過ぎ、そしてまた幼稚過ぎる。そうして人はこれを嗤う。嘲笑し、…

エンジェル・ハウリング(9)

自分の剣はなんのためにあるのか。今はそれが分かる。 殺すためではない。身を守るためでもない。いくつもの呼びかけに応えるため。言葉を伝えるために。 伝えたい言葉があるから、自分の手には剣がある。 あらすじ ずっと探し続けた双子の姉は、帝都の人々…

エンジェル・ハウリング(8)

「無理というのは簡単だが、言ってる奴はまず間違いなく正しい。無理だと言ってる奴にできるわけがないからな」 あらすじ フリウ編いよいよクライマックスへ!! 父・ベスポルトの影を追いかけ、ついに帝都にたどりついたフリウ。ここに父がいるはずだ--期待…

エンジェル・ハウリング(7)

どうしてこうも全員が全員、武器が不要なものだと自然に信じているのか。 大仰に剣を預けてきた自分がよほど愚かだということなのか。 よくは分からなかったが、その通りなのかもしれない。 あらすじ 帝都の風が止む時ミズーは獣になる! 自分の運命を探して…

エンジェル・ハウリング(6)

「平和な時代に生きることができて、わたしはそれが幸せなことだと思います」 あらすじ 生きろ、フリウ! 第4部も連載!! Wヒロイン・ザッピングファンタジー第3幕が文庫化!"水"の中でみた影、「選べ」蘇る老人の声--帝都からの刺客を前に、フリウが選んだ…

エンジェル・ハウリング(5)

自分でなにを言ったのか分からなかった。 ミズーは己に聞き返す心地で、耳をすました。鼓膜に残った自分の声。 あらすじ 泣き虫な絶対殺人武器ミズー激震! 精霊アマワ破壊のため、謎の剣士ジュディアとともに、ベスポルトを求めて旅する主人公ミズー。一方…

エンジェル・ハウリング(4)

「もういい。いつまでも同じところを巡回するだけの運命なんてのはもうまっぴらだ。いいか、適切な処置なんてものはくそくらえだ。ぼくは彼女を逃がすぞ」 あらすじ 国境越えを目指すフリウの運命は!? 破壊精霊を出現させ村人を殺戮してしまったフリウ。牢…

エンジェル・ハウリング(3)

「それでぼくは、思うことがあるんだ。果たして、この世は本当に人間なんているんだろうかってね」 あらすじ 予想を遙かに超えた衝撃がキミを襲う! 絶対殺人武器--イムァシアの刀鍛冶たちにより、最強の暗殺者として育てられた女剣士ミズー。その過酷な運命…

エンジェル・ハウリング(2)

彼女は右目を閉じた。 なにも見えなくなる。自分が左目で見ることのできる世界は、この上なく強力に封印されている。そのことは知っていた。 その封印を解いてはならない。そのことは知っていた。 彼女は唇を開いた。震えて上下が小刻みに触れる程度に、軽く…

エンジェル・ハウリング(1)

「向上心?嫉妬?愛ゆえに?どれも同じようなものかもしれないし、小さな違いが大きな意味を持っていたとしても、それも不思議じゃあない。世界には神秘がありふれていて、なんだかとても微妙なのさ。そいつを知っているかい?」 あらすじ 白く美しい指先に…