エンジェル・ハウリング(9)




自分の剣はなんのためにあるのか。今はそれが分かる。
殺すためではない。身を守るためでもない。いくつもの呼びかけに応えるため。言葉を伝えるために。
伝えたい言葉があるから、自分の手には剣がある。

あらすじ

ずっと探し続けた双子の姉は、帝都の人々を殺し尽くして姿を消した。殺人精霊アストラ。それこそが精霊アマワの望んだことなのか!?絶対殺人武器となった姉を止められるのは自分しかいない!アストラの影を追い、ミズーは忌まわしくも懐かしい場所を目指す。そこは、全ての始まりの場所。あの日のように鐘の音が鳴り響く塔の上で、同じ顔の姉妹は再び向かい合う。「あなたを愛してる、アストラ」言葉は、いつだって遅すぎる。心が暴れ出す「ミズー編」最終章!―それでも、本当のことを伝えるために言葉はある。

感想
ミズー編完結。
剣を持つ意味を知り、必殺の距離以外をつかむことができた彼女の成長が非常に心地良い最終巻でした。
副題が『握る小指』なのがこれまたすごく良い。