エンジェル・ハウリング(1)




「向上心?嫉妬?愛ゆえに?どれも同じようなものかもしれないし、小さな違いが大きな意味を持っていたとしても、それも不思議じゃあない。世界には神秘がありふれていて、なんだかとても微妙なのさ。そいつを知っているかい?」

あらすじ

白く美しい指先に一瞬だけ力が込められる。ただそれだけ。それだけでその男のあごは音を立てて、あっさりと外れる。痛みにのたうち回る男をその真紅の髪の美女は、炎のような赤い瞳で冷たく見つめていた…。絶対殺人武器―イムァシアの刀鍛冶たちにより最強の暗殺者として育てられたミズー・ビアンカは辺境の街にいた。目的はとある退役騎士の情報を得ること。彼は“精霊アマワ”の手掛りを持つ唯一の男なのだ。世界の滅亡の鍵を握る“精霊アマワ”。その強大な力と、それを巡る陰謀にミズーはたった一人で闘いを挑む!触れれば切れるほど研ぎ澄まされた、冷厳なる幻想世界が君を待つ!秋田禎信入魂の新シリーズいよいよスタート。

感想

大河の空隙に在るという、絶対殺人武器。その刃がいかなる形をしているのか、それは永劫に続くであろう、イムァシアの刀鍛冶たちの抱えた命題だった。

絶対殺人武器。獣の瞬間などをキーワードとするエンジェルハウリング、ミズー編第1巻です。作者は『魔術師オーフェン』の秋田禎信
この作品、『エンジェル・ハウリング』全10巻構成となっており、
奇数巻の主人公を暗殺者、ミズー・ビアンカ
偶数巻の主人公を精霊使いの少女、フリウ・ハリスコーとして物語が進んでいきます。
硬派で伏線たっぷりのファンタジーが読みたい方へ。決して王道ではないですが。