十文字青

黒のストライカ(2)

きっと―この人間の女はバカなのだろう。それも、底抜けのバカだ。頭が悪すぎてちゃんと物を考えることができないのだ。だって、そうじゃなきゃおかしい。 しはるは心底から喜んでいる。そうとしか思えない。なんであなたが喜んでるの?あなたには関係ない。…

黒のストライカ(1)

今、口を開いたら、きっとあふれてしまう。 あらすじ かつて、あまねく夜を統べ、闇に名を馳せた一族――夜魔。その最後の生き残りである高夜椋郎は、日本古来の種族・大目天の監視の下、ごく普通の高校生として日々を送っていた。たまに幼馴染みのしはるを怒…

萌神

「私は―人生の本質とは、求めることにあると思う。それはむしろ、生き物としての本能なのだろうな」 あらすじ 人生はつまらない。それがあたりまえだと思って生きてきた吉次。 だが、友人の“中佐”にそれではいけないと諭され、未だ知らぬ“萌え”を探求するこ…

ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説

「たいていさ。バカなやつって、なーんにもわかってないのに、わかってるふりをしたり、わかってるつもりになってる。世の中にはそういうバカが多い。じつに多い。あたし、バカが嫌いだからさ。人間にはね。限界があるでしょ。何でもかんでも知ってるやつは…

ヴァンパイアノイズム

立ちあがって、抱きよせることもできるはずなのに、怖かった。 ずっと一人きりだった萩生のそばにいてあげたい。 でも、僕らは死んでしまう。 どうやって身を寄せあえばいいのか、僕にはわからない。 あらすじ よんじょうしいか【四條詩歌】 家が隣同士の幼…

絶望同盟

考えないといけないことは、それはもうたくさん、たくさんある。時間がいくらあっても足りないくらいだ。 あらすじ ロリコンである自分に絶望している。―当真ネンジ。 女としての自分に絶望している。―蓮井カオル。 世界すべてに絶望している。―木羽ミキオ。…