博多豚骨ラーメンズ



「・・・・・・待ってろ、今すぐ殺しに行く」

あらすじ

福岡は一見平和な町だが、裏では犯罪が蔓延っている。
今や殺し屋業の激戦区で、殺し屋専門の殺し屋がいるという都市伝説まであった。
福岡市長のお抱え殺し屋、崖っぷちの新人社員、博多を愛する私立探偵、天才ハッカーの情報屋、美しすぎる復讐屋、闇組織に囚われた殺し屋。
そんなアクの強い彼らが巻き込まれ、縺れ合い紡がれていく市長選。
その背後に潜む政治的な対立と黒い陰謀が蠢く事件の真相とは―。そして悪行が過ぎた時、『殺し屋殺し』は現れる―。
第20回電撃小説大賞大賞受賞作。


感想
第20回電撃小説大賞大賞受賞作、博多豚骨ラーメンズです。
変な、でも魅力的なタイトルですよね。ちなみに最後まで読めばタイトルの意味がわかる作りになっています。
進行は群像劇形式。
妹を助けるために殺しを営む女装趣味の殺し屋、天才ハッカー、成り行きから殺し屋の人材派遣会社に就職してしまった新入社員、スリ師のホスト、正義感の強い刑事、博多好きの私立探偵、市長お抱えの殺し屋達、復讐屋の男、復讐屋と行動を共にする女子小学生、拷問師の男・・・と、本当に多種多様な人々がこの一冊の中で交錯します。
こう言うと視点が頻繁に移り変わるわかりにくい話を想像してしまうでしょうが、作者さんに非常に実力があるのか、読んでいて人物がこんがらがったりすることはありませんでした。
非常にわかりやすく構成されています。
伏線も秀逸で、オチも軽快でしたし、次の作品にも期待したいです。てかこれの続編書いて欲しいです。


伊坂幸太郎先生の殺し屋シリーズと呼ばれる「グラスホッパー」「マリアビートル」を彷彿させる作りですので、ファンの人にはおすすめです。林を見て蝉を思い出すのは僕だけじゃないはず。
入間人間先生の「トカゲの王」なんかも雰囲気近いですよね。これは殺し屋シリーズにですが。
あ、もちろん「デュラララ」にも近いものがあります。博多版デュラララみたいな。


読んだ後聞いた曲(なんとなく作品に合うと思った曲を紹介)

Amazonでの異様な酷評の多さは納得いかないなあ・・・