ラッシュライフ




「年は関係ない。ようするに、『未来』はそういうものなんだよ。探し出すものなんだ。『未来』は闇雲に歩いていってもやってこない。頭を使って見つけ出さなくてはいけないんだ。あんたもよく考えたほうがいい」
「俺が考えてないと思ってんのか」
「その先を考えるんだ。あんただけじゃない。政治家だって、子供だって、みんな考えてはいないんだ。思いついて終わりだ。激昂して終わり、叫んで終わり、叱って終わり、お茶を濁して終わりだ。その次に考えなくてはいけないことを考えないんだ。テレビばっかり観ることに慣れて、思考停止だ。感じることはあっても考えない」

あらすじ

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。
職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。
並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。

感想
フィッシュストーリーとそういう風に繋がってるのか!と驚愕。こっちを先に読んだほうがよかったかも。
伊坂幸太郎らしい、いろんなものが一気に集まる爽快な話。黒澤がカッコいいのは言うまでもなく、豊田がいいね。
中盤はちょっといやーな雰囲気でしたが、最後はすっとします。『Waltz』とかに黒澤さんでてこないかなー。