ブチ切れ勇者の世界征服(1)



「その頃から、毎回『どんだけこの世界、危機に陥るんだよ!』ってツッコミ入れてた。十七回目くらいでそれすらもしなくなって、依頼受ける時の俺はただ半笑いだ。行く先々で、俺の顔なじみも『またですか』って感じで半笑い。別れるときもリナイスですら半笑い。もう全員半笑いだ」

あらすじ

須藤優武は受験生なのに、勇者として別世界に召喚されてしまう。
勇者としての役目を果たし、元の世界に戻ったまでは良かったが、
味をしめた別世界の連中は些細なことで優武を召喚し、そのたびに受験勉強が中断する。
召喚も27回目を数えたところでついに優武はブチ切れてしまう。
魔王と手を組みこの世界を征服してしまえば、2度と召喚されることもなく受験勉強に集中できると!
手始めに傀儡として擁立する魔王を物色する優武だったが、出会ったのは魔王になって間もない幼女のモアだった。
世界を救うより自分の学業を優先させる勇者と高い理想を持ちながら全く実力の伴わない魔王が織りなす、脱力系ファンタジーバトル。


感想
ブチ切れ勇者の世界征服、第1巻の感想です。
受験生なのに、何度も何度も異世界に召喚されてしまう主人公、優武。
大した危機でもないのにしょっちゅう召喚する異世界の人間についにブチ切れた彼は、世界征服してしまえば、2度と召喚されない!という考えの元、魔王と手を組み世界征服を目指し始めます。


既に二十数回世界を救っている主人公はとんでもなく強いため、数ページで魔王軍を制圧。
傀儡の幼女魔王を祭り上げ、人間たちに宣戦布告を行って・・・という流れ。


序盤の超強い主人公が破竹の勢いでグイグイ進んでいく様子はかなり爽快感があり、しかも笑えます。
また、何度も危機に瀕している世界のため、魔王を余裕で瞬殺できるレベルの実力者が500人以上いるって設定もすごいです。


かつての主人公の仲間が敵に回ったり、味方になったりと人間関係的にも結構楽しめます。
この巻はギャグ7割シリアス3割ぐらいの配分でした。ギャグがかなりいいかんじですが、キャラクターも魅力的ですのでシリアスに傾いても面白くなりそうです。


読んだ後聞いた曲(なんとなく作品に合うと思った曲を紹介)