ラプンツェルの翼




「利害関係で何が悪いのよ。人間同士に利害関係がないケースなんてあるの?それとも、ただぼんやりそばにいるだけが純粋だって言うの?」

あらすじ

“もしもこのトランクを拾った方がいたら絶対に開けないでください。人にとって危険な武器が入っています。
開けない限り危害はありません”混乱する事故現場で相沢遼一が託された歪にひしゃげたトランク。
その中に入っていたのは、両膝を抱えるように丸くなっている精巧な人形のような…一糸まとわぬ少女だった。
はたして彼女が危険な武器なのか、もしくは何かの道具なのか、それとも―。遼一の手元にあるのは七つの駒と地図とウサギのぬいぐるみ。
謎の少女を連れて、目的の見えぬ生き残るための“禁断”のゲームが始まる。

感想
土橋作品でもいまいちって聞いてたので、積ん読してたんですが、いやー面白い。土橋版『フェイト/ステイナイト』って感じでしょうか。
七人の美少女が己の存在をかけて殺しあうバトルロワイヤル。そこに土橋作品おなじみのゲーム要素をぶち込んでます。結構ラノベ全開な設定にもかかわらず土橋さんが書くよやたらとハードボイルドになるのが不思議。相変わらず、あざとすぎない絶妙なエロさもあり、面白かったです。
学園モノでは欠かせない学校での戦闘を書いてるとこも好感触。土橋さんの日常の壊し方って本当に容赦ないです。素敵。
今度メディアワークス文庫で出る『生贄のジレンマ』も楽しみだなー。