扉の外(3)




爽快だった。水風船のように破裂する頭部。心臓を貫かれ、アスファルトにのたうちまわる体躯。美鈴が放った弾丸がそうさせているのかと思うと、とても気分がよかった。
この弾丸こそ、最高のコミュニケーションだと思った。
もともと人間のコミュニケーションには二種類しかなかったのだ。否定と肯定。両手を上げて降伏するか、銃を向けて攻撃するか。

あらすじ

「三つ目の扉をくぐり抜けゴールしたプレイヤーには、外への脱出と、その他副賞として豪華特典が与えられます。こぞって参加いたしましょう」。
密室に閉じこめられた二年二組の生徒たちに、人工知能ソフィアを名乗る存在が、状況を打開する方法として提示したのは“オンラインゲーム”。
とにかくやるしかない、とクラスで協力して、その“ゲーム”を進めているうちに謎めいた存在と接触することになり…!
“誰”が“なんのため”に生徒たちを隔離したかがついに明らかに。シリーズ完結編、登場。

感想
ここまで来て終わり・・・!?
なんてもったいない・・・。いや、今回も面白かったけどね。
1、2巻と男性主人公だったのに対し、今回の主人公は女性の美鈴。シリーズ史上最悪の主人公でしたね。もうね、戦略とか残酷すぎるからね。今まで、ところどころに女性の強さ、冷酷さを描写してたけど美鈴はその具現ですね。
今回のゲームはオンラインゲーム。読んでる間は『Fallout3』を思い浮かべてました。ゲーム画面的にはあってるかな?序盤はまだ仲間のことを思っていた美鈴が段々と冷酷になっていく様は恐ろしい。いままでと比べてもかなり暴力的で直接的なゲームでしたね。最後の乱戦は壮絶。グログロです。
しかし終わり方がなあ。
1,2巻の主人公、キャラクターが入り乱れて上を目指す話が読みたかったです。それがすごく残念。
打ち切りなのか、作者の想定していた完結なのかも気になります。もったいないなあ・・・。