ツァラトゥストラへの階段




「ナンバーワン運勢か。だと思った」

あらすじ

「大昔の神と崇められる存在や、歴史上の英雄などは、パルスをコントロールしていた存在なのよ」
得体の知れない“存在”―パルス。パルスは人の精神に寄生する。
パルスに寄生されると宿主となった人間の知力・体力があがり、また特殊な力が生まれる場合もあるという。
そんなパルスに感染していることが発覚した高校生・福原駿介の運命は一気に動きはじめた。
パルスを制御しようとする組織の存在。そして、同じくパルスに寄生されている少女との出会いが―。
緊迫のストーリー、開幕。

感想
あらすじから、もしかしてゲーム小説じゃなくて、伝奇小説になっちゃったの?って心配したら立派なゲーム小説でございました。そんな『扉の外』の土橋真二郎さんの2シリーズ目、『ツァラトゥストラへの階段』。ツァラトゥストラと言えば、ニーチェゾロアスター教。・・・まあ私が思い浮かべたのはPCゲーム『dies irae』ですが。
今回はゲーム2つでちょっとお得感。スピリットゲーム、インタレストゲーム。
スピリットゲームが超自分好み。繋がれた手錠、一発だけ入った銃、大金、配られたカード、部屋の真ん中で首を吊った人形。こういったシチュエーション、スリラー?ってのが大好きなのです。主人公も冷静でお人好しというアンバランスがいいですね。
インタレストゲームは結構難しかったです。主人公が大きな渦に巻き込まれて、動かざるおえなくなってしまうとことか扉の外にもあったなーって思いながら読んでました。
そんな感じで、土橋味を全く失っていない、充実した土橋小説でございました。