神様のメモ帳(5)




この世界のほとんどは、大多数の人間にはどうでもよくて、けれどごく一部の人にとってはかけがえのない、そんなできごとだけで成り立っている。

あらすじ

ニート探偵アリスとその助手である僕は、深刻な事件の合間にも、ばかばかしくてつまらない、けれど忘れられない揉め事にいくつも巻き込まれている。
今回はそんな僕らの事件簿から、いくつかをご紹介しよう―ミンさんを巡るストーカー事件「はなまるスープ顛末」、アリスご執心の酒屋を襲った営業妨害事件「探偵の愛した博士」、平坂組のバカども総勢を巻き込んだ誘拐事件「大バカ任侠入門編」に、特大100ページ書き下ろしのオールスター野球騒動「あの夏の21 球」を収録。
泣き笑いの日常満載のニートティーン・ストーリー、待望の短編集が登場。

感想
神様のメモ帳短編集。
杉井光さんの知名度があがってきてる上、イラストも岸田メルさんであるため人気が出てきてるみたいです。
・はなまるスープ顛末
アイス作りが上手いラーメン屋ミンさんの話。父と娘。最後に冴えるナルミがかっこいい。
・探偵の愛した博士
ナルミがアリスの態度にヤキモキする話。オチが結構読めるので安心してナルミの焦りっぷりを楽しめます。最後のシーサーの真相なんかは神メモっぽさがにじみ出てて好き。
・大バカ任侠入門編
平坂組最高に面白い。誘拐事件でドタバタ騒ぎ。ナルミがどんどん探偵として成長してる気がする。入門編ってことは続きもありますよね!
・あの夏の二十一球
青春といえば野球だ!というわけで野球話。杉井さんの野球へ対する情熱が注ぎ込まれてます。最後のバッティングの文章とかもうね。

そんな短編集。どれもこれも高品質な仕上がりで短編集としては満点な出来具合。短編っていったらギャグとか過去話でお茶を濁す作品が多い中、まるで長編みたいに完成度の高い作品が詰まってます。