レジンキャストミルク(8)

「準備はいいか？　僕の恋人(Are you ready,my lady?)」
「万全です、私の恋人(I'm steady,my steady)―私に、愛を(Please rape me)」

あらすじ

大きな犠牲の果て、森町芹菜と敷戸良司への接触に成功する晶たち。しかし、変わり果ててしまった芹菜を前に、晶はひとつの決断を迫られる。
一方、自分たちの望む世界を作ろうとする樹と鏡、そして【無限回廊(エターナル・アイドル)】もまた、行動を起こし始めていた。目前に迫る、最後の戦い。もう一度日常へ戻ってこようと誓う者、もう二度と戻らない覚悟を決める者、一抹の不安を抱えたままそれでも笑って過ごす者。
それぞれが決意を胸に秘めたまま、その時は訪れ―【実軸(ランナ)】と【虚軸(キャスト)】たちの殺し合いが、始まる。大人気シリーズ、堂々の完結編。

感想
セカイ系伝奇作品の終着点。結末に向けて尻すぼみになってしまう作品も多い中、この作品は最高の状態で完結まで突っ走ってくれました。中二？だからどうした、と言わんばかりの素晴らしき展開。ここまで徹底的にやってくれると読んでて爽快です。
最後の決戦の熱い乱戦っぷりも素晴らしかったんですが、何より、エピローグが秀逸。最後の最後で晶が自分のいる世界にひとつの答えを出します。ラストシーンがすごく胸に残りました。
キャラクターを不用意に増やさず、最後まで一貫して真正面から容赦なく書ききってます。ラノベ的な用語が大丈夫で学園伝奇ラノベ好きな人にはおすすめです。一気読みして正解でした。
残りは短編集、一冊。