レジンキャストミルク(6)


「負ける訳にはいかないのは俺も同様だ!せっかくこの世界に生まれ落ちることができたのだ……生も死も、悲しみも苦しみも痛みもすべて喜びに変えて、俺は生きる!」

あらすじ

城島晶の父親、城島樹。
虚軸発生の原因となった『仮想観測論』を作り出したその男が【無限回廊(エターナル・アイドル)】の画策によりこの世界へと戻ってきた。晶と硝子はすべてに決着を付けるため、二人だけで樹のもとへ赴く。―悲壮な決意をその身に秘めながら。
連れ去られた芹菜の行方は?津久見奏と逆絵が負った過去とは?樹の目的とは?そして、樹を虚軸へと送った本人である【無限回廊(エターナル・アイドル)】は何故樹と行動を共にしているのか?
すべての真実が白日の下に晒された時、晶と硝子が見るものは…!?破壊と再生が飽和する緊張の第6弾。

感想
日常を守るために戦っていたのが、いつの間にか非日常のはずの仲間たちすら守る対象になってしまった晶。このまま仲間たちを自分のことに巻き込んでしまっていいのか苦悩し、たった二人で戦地に赴きます。超燃えるぜ。
晶の指示なしで仲間たちが登場するシーンが熱い熱い。しかし今回、全てをもっていったのが佐伯先生。見開きイラスト付きの虚界渦開放が怖かっこいい。虚界渦開放シーンはいつもぶわっ!と盛り上がります。
地味に好きだった【ライ麦畑の墜落死体(ナイン・ライヴス)】退場はちょい残念。ネーミングが好きだったんだけどなあ。
そして今回、因縁の対峙で、

「お前さ、まさか自分を取り巻く周りのものだけが世界だとでも思ってるのか?」

ってセリフを言わせてるのが印象的。この作品自体セカイ系だけど、なんだか視界が外に向けられる感じです。