レジンキャストミルク(4)

こんな娘が私の友達だったんだ。
こんなにも強く、こんなにも立派な娘が、私のことを友達だと思ってくれていたのだ。

あらすじ

二年前。それは舞鶴蜜がまだ、速見蜜という名前だった頃。
ひとりぼっちだった彼女は、直川君子と出会った。無邪気で朗らかな君子は、空っぽだった蜜の心をあっという間に埋めていく。
生まれて初めての友達。ずっとこの娘と一緒にいたいと、蜜は強く願っていた。―虚軸【壊れた万華鏡(デイレイドカレイド)】が、自らの裡に取り憑くまでは。
そして、二年後。現在。
かつての親友を【無限回廊(エターナル・アイドル)】に連れ去られた蜜は、硝子を奪われた城島晶と共に、反撃のため立ち上がる。ふたりは果たして、それぞれの大事なものを取り戻すことができるのか。

感想
前回の引きにしては意外とあっさり気味。とはいえ、殊子のアンダーゲート・オープンやら蜜の壮絶な戦闘やら見所は多かったです。
無限回廊との対峙がわりとあっさりだったのと、別保先生の行動が全て悪であるかのごとく書かれていたのが少し不満。
前巻での蜜への

「ならば……お前は何か手を打ったのか?」

には答えを用意しておいて欲しかったかなあ。
とはいえ終盤の君子の一言にはグッときました。蜜もまた、あの中に入っていけたらいいねえ。