中公文庫

皇国の守護者(4) 壙穴の城塞

「なにをしている?急げ、戦争だ」 あらすじ 北領を制圧したユーリア殿下率いる帝国軍は龍口湾上陸を果たし、皇国本土への侵攻を開始する。 これに抗すべく皇国軍は、陸軍剣虎兵少佐・新城直衛を未完の要塞“六芒郭”の臨時防御司令に任命。 大地を覆う帝国東…

皇国の守護者(3) 灰になっても

畜生。新城は思った。自分が戦場にいるのは戦うためであって、忘れ難いものたちを得るためではけしてないのに。 「僕には理解できない」新城は言った。 「どうしていざとなると、誰も彼もが地獄へ望んで進撃したがるのだ?」 あらすじ 北領での武勲で少佐に…

皇国の守護者(2) 勝利なき名誉

背後から叫びが聞こえた。漆原だった。猪口ではなく、漆原だった。彼は命じていた。 「総員、大隊長殿を救えッ。突撃ッ」 莫迦野郎。どうしようもない大莫迦野郎。新城は思った。この僕を救え、だと。 畜生。あいつ、命令を守っている。自分に続けば、半数は…

皇国の守護者(1)

「今宵の地獄はここまでとしよう」 あらすじ 氷雪舞う皇国北端の地に、鋼鉄の奔流が押し寄せた。 圧倒的軍事力を誇る帝国軍怒涛の進撃に、皇国軍は為す術もなく潰走する。殿軍を担う兵站将校・新城直衛中尉は、死力を尽くして猛攻に立ち向かうが―!?真の「救…