皇国の守護者(2) 勝利なき名誉



背後から叫びが聞こえた。漆原だった。猪口ではなく、漆原だった。彼は命じていた。
「総員、大隊長殿を救えッ。突撃ッ」
莫迦野郎。どうしようもない大莫迦野郎。新城は思った。この僕を救え、だと。
畜生。あいつ、命令を守っている。自分に続けば、半数は死んでしまいかねないことを知りつつ、そう命じている。ええい。命令というのはもう少し厳格でなければいけないな。
全く気に入らない。気に入らないぞ。戦争とはもっと残虐で、救いようのないものであるべきなのだ。
こんな戦争は、僕の好みではない。

あらすじ

東方辺境姫ユーリア率いる帝国軍に蹂躙され、北領に陥落の時が迫る。
厳冬の嵐を衝き皇国水軍が残存将兵の救出に向かうも、海路“転進”を果たすまであと二日。
敵の侵攻を食い止めるべく、剣虎兵大隊指揮官・新城大尉は予備隊を直率、熾烈な遅滞防御戦に挑む!


感想
予備隊を率いる新城の2日を稼ぐための激戦。
内容を語るとどこを言ってもネタバレになりそうなので感想だけ。
1巻より非常に読みやすく感じました。解説が減ったからかもしれません。人物一人ひとりに対する掘り下げは深いですが、自然な流れで入っていくので店舗を崩すことなく、物語に深く入り込めました。
此処から先は漫画でも読んでいないまさに未知の領域です。
楽しみだなあ。


読んだ後聞いた曲(なんとなく作品に合うと思った曲を紹介)