皇国の守護者(3) 灰になっても



畜生。新城は思った。自分が戦場にいるのは戦うためであって、忘れ難いものたちを得るためではけしてないのに。
「僕には理解できない」新城は言った。
「どうしていざとなると、誰も彼もが地獄へ望んで進撃したがるのだ?」

あらすじ

北領での武勲で少佐に昇進した新城は、皇主に奏上する栄誉と引き替えに、近衛とは名ばかりの弱兵部隊へ転属となった。
練兵の間もなく帝国軍の龍洲上陸作戦が発動。
湾を埋め尽くす大陸上部隊を、興廃を賭して皇国軍主力が迎え撃つ。
訓練不足の近衛鉄虎兵を率い、新城は波打ち際の最前線に血路を拓くが!?書き下ろし短篇「織業倫理」を収録。


感想
近衛部隊を指揮することになった新城は自分の好みのやり方で部下たちを鍛え上げていく。
そうしているうちに、帝国が本土に上陸。ついに皇国と帝国の全面対決がはじまる・・・という流れ。
また、新城の元に個人副官(高級将校の愛人のようなもの)として両性具有者(皇国の個人副官は両性具有者を愛人にするらしいです。誰もがとても美しいらしい。)の冴香がつきます。
彼女はヒロイン的な存在なんでしょうか?基本的に初恋の姉は既婚だったり、美しい女性指揮官は敵だったりとヒロインに縁のない本作ですが、副官と新城の微妙な距離感はちょっとほのぼの。



読んだ後聞いた曲(なんとなく作品に合うと思った曲を紹介)