アトリウムの恋人




「喫茶店の飲み物は味だけじゃないから。例えば、こんな場所で味わい深いエスプレッソなんて出されても意味がないじゃない。この汚水のような飲み物を出すからこそ、ここの客は何時間でも粘って好きなことができるんでしょ」

あらすじ

とある理由により閉鎖された仮想世界「東京スフィア」。高校生の前田は、普段は言葉を交わさないクラスのアイドル青原遙花から、その存在について相談を受ける。身に覚えのない東京スフィアの入場チケットと大金100万円―その後も執拗にスフィアのことを調べたがる遙花は、前田の他にも数名の生徒を誘って、サークルを設立してしまうのだが…。そのチケットは、前田にとって歓迎すべき“招待状”なのか、それとも―!?『扉の外』『ラプンツェルの翼』の土橋真二郎が贈る、待望の新シリーズ。

感想
正直言うと期待はずれ感がある。
序盤は説明なく主人公達が意味不明な会話を続けるので少しうんざりした。真相が分かってからもいまいち盛り上がりがない。
『扉の外』より『ラプンツェルの翼』方面の話だけども、東京スフィアって設定が自由すぎてなんだか普通のバトル物のような空気。命をとられるかも、というような緊迫感もなかったので入り込めなかった。
でも相変わらず、ヒロインと主人公の関係の距離感みたいなのがすげー上手い。
でもどちらかというと『ツァラトゥストラへの階段』の続き描いて欲しいです。
あと、土橋作品は白身魚絵の方が合うなと思った。植田亮が嫌いなわけじゃないけどさ。