神様のカルテ(2)




「貴君の年齢で夢なんぞ見つからなくて当たり前だ。『やりたいことを見つけてそこに打ち込んでいくのが人生だ』などということ自体が、ただの幻想なのだから。世の中はそんなに都合よくできてはいない」
身も蓋もないことを言う。
「だいたい、そんなに目の前に夢やら希望やらが転がっていては、人生の風通しが悪くてかなわん」

あらすじ

医師の話ではない。人間の話をしているのだ。

栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家の妻・ハルの献身的な支えや、頼りになる同僚、下宿先「御嶽荘」の愉快な住人たちに力をもらい、日々を乗り切っている。
そんな一止に、母校の医局からの誘いがかかる。医師が慢性的に不足しているこの病院で一人でも多くの患者と向き合うか、母校・信濃大学の大学病院で最先端の医療を学ぶか。一止が選択したのは、本庄病院での続投だった(『神様のカルテ』)。新年度、本庄病院の内科病棟に新任の医師・進藤辰也が東京の病院から着任してきた。彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓であった。かつて“医学部の良心"と呼ばれた進藤の加入を喜ぶ一止に対し、砂山は微妙な反応をする。赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、かつてのその姿からは想像もできないものだった。
そんななか、本庄病院に激震が走る。

感想
1巻を超える2巻なんてものはほとんど存在しない。思い出せる限りでは『パルフェ』ぐらいであろう。←ギャルゲ。
そしてこの作品は当たり前のように1巻を超えていた。医者が患者につくすことがどういうことかってのがすごく響きました。こんなお医者さんがいて欲しいなって気持ちを持ちつつも、「あ、意外ともう会ってるかも」なんて思いますね。
当たり前を僕らは享受してますが、それは当たり前を保ち続けるだれかがいてくれるからなんですね。彼らには感謝しないといけないね。とか今の原発問題と絡めて思いました。