煉獄姫




「ならば僕は生涯を、あなたの横で過ごしましょう」

あらすじ

現世のひとつ下の階層に位置する異世界“煉獄”。そこに満ちる大気は有害であり、一方で人の意志に干渉して森羅万象へと変化する性質を持っている。瑩国第一王女であるアルテミシア―アルトは、その煉獄へ繋がる扉を身の裡に孕む特異体質の持ち主だった。常に毒気を身に纏い近寄る者すべてを殺してしまうが故、普段は呪われた子として城の地下牢に幽閉されている。しかし彼女は時折、外の世界へ出る。従者である少年騎士フォグと共に、王家の密命を受けて。煉獄の毒気を練り超常を操る“煉術師”として―。策謀と毒気が渦巻く都市“匍都”で繰り広げられる薄闇の幻想物語、開幕。

感想
レジンキャストミルク』の藤原祐さんの最新作。かなり作り込まれた世界観のファンタジーものです。産業革命がどうとか、すげー好み。
煉術の設定とか人がボコボコ死んでいくのはさすが暗黒ライトノベルの名手。主人公の腹の内が見えないのも気になります。ヒロインの容赦のなさも素敵。序盤の残酷さには震える。
しかしいつも通りのセカイ系であることは変わりないので国家間の関係がどうとか、貴族との軋轢とかはあまり期待できないかも。
『君と僕』やファンタジー好きにはお勧め。
以降の巻でホムンクルスがたくさん出てきそうなのでそこには期待。女の子ももっと出てくるだろーしね。