魔界探偵冥王星O ジャンクションのJ




不自然で、卑俗で、不誠実で、利己的な、人間たちの愛。
けれど、それでいいのだ。人の気持ちというのは、あくまで脳内で起こっている化学的な現象であって、本当だったり嘘だったりするものではないのだ。

あらすじ

俺は今、無意味な物語を拾い、読みながら歩いている。
在存理由としての食餌。
消える記憶と、脳内に潜む探偵。
逢うたびに顔の変わる恋人。
交錯する複数の “冥王星O”。
…“冥王星O”?それは―俺の名だ。
物語を紡ぎ続ける“越前魔太郎”とは一体何者なのか。
知らぬうちに裏返る世界は、まるでメビウスの輪
重なり合う運命の交差点で、謎は解かれ、現実は崩壊する。

感想
すっごく舞城っぽい。舞城じゃないらしいけど、舞城っぽい。とにかく支離滅裂。はっちゃけてます。
個人的には2章の脳内探偵冥王星Oが好き。エロイじゃん。
今作ではメタ視点を取り入れることで冥王星Oの世界を丸ごと一つ上に押し上げた感じです。
今までの物語が、可能性であり、作中作でもある事が示されましたね。
これまでのすべてを台無しにしてしまう可能性を含んだ危ういバランス。
今後物語の方向性にどう影響していくのか楽しみ。
もしかしたら冥王星Oっていろんな作家が可能性を描いて、舞城が仕上げる物語なのかな。とか思ったりもした。
次回は私の大好きなジャンルである『ソリッドシチュエーションホラー』らしいから超楽しみ。
とゆーことは土橋か!・・・違うか。