VRMMOをカネの力で無双する


「ナンセンス。僕の使ったお金は僕が稼いだもの。つまり僕の才能の延長線上にあるものだ。それを使うことで、ゲーム内での才能を購入することはずるいことじゃない」

あらすじ

課金は、能力<チカラ>だ。

ツワブキコンツェルンの御曹司、石蕗一朗はすごいお金持ちである。
ゲーム内での人捜しを手伝ってほしいとハトコの石蕗明日葉にお願いされた彼は、新世代VRMMO「ナローファンタジー・オンライン」の大地に降り立った。
しかし、すべてにおいて頂点を極めなければ気が済まない一朗は、その才能&財力を使い、ゲーム世界で無双しはじめる!


感想
小説家になろう」の人気作の書籍化作品「VRMMOをカネの力で無双する」の感想です。
この作品の主人公、石蕗一朗は超金持ち。そんな彼にハトコの中2女子、明日葉がネットゲームにハマりまくってる友達を探してほしいと依頼します。
一朗は彼女の友人を探すためにその友人がハマっているというVRMMOを始めるのですが・・・。
この作品のすごいところは超金持ちでイケメンの主人公で面白い物語が作れており、しかも主人公が全然嫌味じゃないこと。
いえ、嫌味な言動を繰り返す主人公であるにもかかわらず、彼を魅力的に描けていること。でしょうか。
この主人公を生み出せた時点で勝利だと思いました。また、彼のライバルとなる「キング・キリヒト」も魅力的。
「キング・キリヒト」はゲーム廃人であり、無課金でその腕前だけでゲームのトップに君臨するプレイヤーとして描かれています。
彼と主人公の激突は課金vs廃人なんてネタ的な煽られ方がされていますが、非常に熱く書かれていました。
キャラクターの心情をうまく書ける方なんでしょうね。ネット小説侮ってました。面白かったです。
イラストがストレンジムーンの桑島黎音さんだったのも嬉しかったり。


ちなみに作中にはSAOのパロネタが散りばめられており、そういった意味でも楽しめます。
よくこれHJ文庫で出版できたな・・・


読んだ後聞いた曲(なんとなく作品に合うと思った曲を紹介)