パニッシュメント




「エロ動画とか見るっしょ、郁も」
「……何だよ急に」
「ああいうのでさ、『感じる?ここが感じる?これ気持ちいい?』とか男優が呟いてるの見るとアホかって気にならない?」
「……まあ、ちょっとは」
「何で俺のこと好きになったの?いつから?って多分同レベルの質問だと思うよ」

あらすじ

結ばれたいけど結ばれたくない!? 怒濤の恋。

高校生・郁には何かの拍子に「誰かを殺しそうな顔」をしてしまう瞬間がある。それが新興宗教の教祖をしている父親と関連があるのかどうかは不明…。
父親とは長年離れて暮らし、存在を「ないもの」としているが、幼馴染みの女子高生・常磐の母親がその宗教に傾倒していることに対し、本当の事実を告げられない。
何も知らず、接してくる常磐に複雑な感情を抱いてしまう郁。
一方でクラスメイトの謎めいた占い少女・七瀬がなぜか、アプローチをしかけてくるが、実は、郁と父親に関しての秘密を知っているらしく……
『ストレンジボイス』の江波光則が送る、ローリング必至の青春&恋愛模様

感想
パニッシュメント。意味は刑罰や処罰。
そんな題名にふさわしく、異色のライトノベルです。
キャラクターから排除されているラノベらしさがこの作品の魅力だと思います。下ネタ連発のヒロイン。理知的な宗教家。ヒステリックでない左翼。そしてなんとも後味の悪い結末。
そういった様々な要素がこの作品を異色のものとして照らし出してますね。
結局人は何かにすがらずにはいられないんでしょうね。そんなことをちょっと考えたくなる作品です。