遙か凍土のカナン(2) 旅の仲間
「生きようとしたのだ。守ろうとしたのだ。それだけでどうにかなるとは言わないが、それがなければどんな事もなすことは出来ぬ」
あらすじ
日本を発ち、海路にてヨーロッパを目指す新田良造とオレーナ。しかし、上海に続きシンガポールでも襲撃を受け、旅程の変更を余儀なくされてしまう。
良造たちは、ユダヤ人騎兵・グレンの仲介でイギリス軍艦に乗船し、なんとか追っ手を撒いてインドに上陸するものの、ウクライナに辿り着くためには陸路で中央アジアを縦断せねばならない……。
そして、砂塵舞う地で一行を待ち受けていたのは、“二つ角の姫君”率いる盗賊の手荒い歓迎だった──。
『マージナル・オペレーション』のタッグが放つ凍土の英雄譚、華麗なる第二幕!
感想
「マージナル・オペレーション」のコンビが放つ新作、遙か凍土のカナンの第2巻の感想です。
副題の「旅の仲間」が示すように、今回は旅の仲間が増えていく巻。
新田とオレーナは旅の途中でユダヤ人で騎兵のグレンや、盗賊にならざる負えなかった部族のジニと出会います。
マージナルオペレーションを読んでいると、ジニの登場には思わずニヤリですね。表紙の女の子がジニです。
今巻はオレーナと新田のイチャつきというか痴話喧嘩がかなりたくさんありました。
いいかげんにしろよ新田ってなるレベル。
気になったところではこんなやりとりがありました。
「今度はこれで、貴方を守ります」
そう言うと、オレーナは不意に顔を赤くした。氷が溶けたような感じで、良造はそれが嬉しかった。
「そうやって蕎麦畑に飛び込むことをあちこちで言って回っているのだろう」
「どういう意味ですか?それは」
「ぶっきらぼうに!」
「どういう意味だ」
オレーナは不意に黙った。横を見た。
「秘密だ。そしてこれは、正当な復讐であることを宣言する」
会話中の「ぶっきらぼうに」とはオレーナが新田が敬語を使うたびにもっと砕けた言い方で話せ!と注意する台詞です。
今巻では飽きるほど聞けます。
そして気になったのは「蕎麦畑に飛び込む」。これは作中でも特に解説なく進みましたが、これはウクライナ語の慣用句で意味は「浮気する」だそうです。
まあ新田ですし、オレーナが心配するのもわかります(笑)
気になるのは
私の名前は天使からとられているそうです
という台詞。もしかしてジブリール登場フラグ?
また、マージナル・オペレーションF(フラグメント)の予告もついていました。
マージナル・オペレーションは是非アニメまで言って欲しいですね。
読んだ後聞いた曲(なんとなく作品に合うと思った曲を紹介)