告白




愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。

あらすじ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。
語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。
衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。

感想
本屋大賞受賞作。映画が社会現象と呼ばれるほどに人気が出てるみたいです。それぐらいすごい本。
とにかく1章だけでも読み始めると、その文章の語り口に圧倒されます。読むのが止まりません。ページいっぱいに文章が詰まっているのにスラスラ読める不思議。
1章で既に物語として完成度が高いです。最後の方なんか背筋が冷たくなります。
その後、2章、3章と視点を入れ替えながら物語は進んでいくのですが、この視点の入れ替えが上手い、そして怖い。
誰もが自分は正しい、人格者だ、という視点を持っているので章が移り、他の人の視点でその人をみると、異常だったりします。もうこれが怖い怖い。
そのせいか、子供に見せたくない、どこが本屋大賞じゃい!って意見もあるみたいですね。まーミステリーだからしょうがないですが。
ドロドロとした魅力にあふれた傑作です。